BINKは、RAD Game Toolsによって開発された独自のビデオファイル形式(.bik)で、主にビデオゲームに使用されています。BandicamビデオライブラリーはWin32環境でBINKに代わる製品として開発され、BINKの機能のほとんどをカバーしています。 BINKとの性能の違いは下表の通りです。
Bandicamビデオライブラリー(BVL) | BINK - RAD Game Tools | |
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対応OS | Win32, Win64 | Win32, PSP, PS2, PS3, Wii, NDS, Xbox, Xbox 360,... |
価格(Win32) | 5,900USD | 8,500USD |
圧縮コーデック | 映像: MPEG1 Video, VP8 音声: MPEG1 Audio Layer2 |
自社開発の映像、音声コーデック MPEG1より劣勢 |
再生時のCPU使用率 (P4基準、BINKを100とした場合) |
50% (低いほうが良い) | 100% |
ファイルサイズ (同一画質の場合、BINKを100とした場合) |
40~60% (低いほうが良い) | 100% |
下のグラフは480フレームの動画ファイルの各フレームをPSNR比較ツールで比較した結果です。PSNRの値が高いほど画質が良いことを意味します。
PSNR指数は映像の差にlog10をかけた値を使用するため、グラフ上では差が小さく見えても実際の映像の画質には大きな違いがあります。上のグラフとPSNRの平均値を比較すると、MPEG-1はBINK比40%程度、VP8はBINK比60%以上も動画ファイルのサイズを圧縮することができることがわかります。 つまり、Bandicamビデオライブラリーは、BINKに比べ圧縮率が高いコーデックを使用しているということができます。
動画再生よりもゲームやアプリケーションの動作に重きが置かれ、動画の再生はあくまでも付加的な要素である場合、動画再生時のCPU使用率を下げることは重要なチェック項目の1つです。
BINKやBandicamビデオライブラリーは、圧縮率はやや劣っても、CPU使用率が低い動画コーデックを使用しています。
下記のテストは、Intel Atom 330@1.6Ghz CPUで行いました。
開発環境であるCore2 DuoやCore2 Quad環境では、もともとCPU使用率が1~2%と非常に低くテストには向かないため、意図的に低スペックPCを使用しました。同一の1080p動画を使用しています。
BINKに比べると、MPEG-1コーデックを使用したBandicamビデオライブラリーのほうが20%~30%、CPU使用率をおさえることができるといえます。